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  • shizuokaverdi
  • 2024年12月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月20日


ヴォルフガングと姉ナンネル
ヴォルフガングと姉ナンネル

~モーツァルト探訪その9

◎自尊心が高く、雇われ音楽家からフリーランスへ

 さて、いろいろな国を旅して、モーツァルトの音楽を尊敬する多くの人々と出会ったモーツァルトですが、次第に雇い主であるザルツブルク大司教の扱いに不満を漏らすようになります。大司教は、モーツァルトの才能を全く理解していませんでした。

ウィーンに到着したモーツァルトは大司教の側近と共に食事するように命じられたのですが、そのテーブルの位置が側近の召使よりも扱いが低く、かろうじて料理人の上というものでした。

彼はこれまで貴族の前で演奏し、対等に話す機会も得ていただけに、そういったことを侮辱と感じるようになります。また彼はザルツブルク大司教主催の演奏会にも出る義務があり、そのために皇帝依頼の演奏会に出ることが出来なくなることが多くありました。これは経済的にも大きなダメージを与える事となり、とうとうモーツァルトは大司教に解雇を願い出ます。最初はこの解雇の願いは取り下げられますが、結局モーツァルトは解雇という形になり、ザルツブルクを飛び出し、晴れてフリーの音楽家としてウィーンで生活する事になります。


※12/5の練習参加者は、Sop8名、Alt12名、Ten5名、Bass3名の合計28名でした。

2024年度最後の練習でした。皆様、良いクリスマスと新年をお迎えください。次回の練習は、1月9日で、すぐやってきます。歌えるようになった場所を忘れないよう、お正月も楽譜を1日1回は見ましょう。


《モツレク第16回練習内容》


1.KV49 Credo

p24~p25を集中して練習しました。

・196小節~最後までのAllegroを練習した後、各パート2名ずつ(合計8名)で前で歌ってもらいました。どちらも良いアンサンブルでした。

・191小節の「re-sur-rec-ti-o-nem」の早口が引っ掛かりそう。もっと滑らかに発音してほしい。


2.Requiem 「Agnus Dei」(p68~p71)

☆ハーモニーの確認とcresc.の個所確認。縦を合わせた練習。

・Aの母音が薄くなりがち。口を縦に使う。その際、音が暗くならないように。

・qui tollisの二重子音の発音は「クィ トーリス×」ではなく「クィ トーッリス〇」

・四分音符の長さは正しく。四分休符でブレス。

・7小節~8小節、21小節~23小節、48小節~51小節 cresc.


【次回練習内容予定】2025年1月9日 アイセル3F大音楽室

①Missa Brevis KV49「Credo」(仕上げ)

②Missa Brevis KV49「Kyrie」(復習)

③Requiem 「Agnus Dei」(p68~p71)復習

④Requiem 「Communio」(p72~p80)

 
 
  • shizuokaverdi
  • 2024年12月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年12月20日



ベーズレ
ベーズレ

~モーツァルト探訪その8

 モーツァルトは実は下ネタが大好きだったという話にも触れておきましょうか。モーツァルトは相手によって言葉をきちんと選んで手紙を書いていますが、従妹のマリア・アンナ・テークラ・モーツァルト(通称ベーズレ)の手紙の中では下ネタをたくさん書いています。中でも汚物という言葉を連発していますので、その一説を紹介しましょう。

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◎ベーズレ、ヘーズレへ (1777年11月5日)注:モーツァルト21歳

それでは、さようなら!おや、なんだかお尻が燃えるようだ!!これはいったい何を意味するのだろうか?

もしかして、あの汚物が出たがっているのか?そうだ、そうだ汚物だ!僕はお前を知っているぞ!!お前が見えるし、お前の味もするぞ!!そして・・・え、なんだって?なんてこった、神様!!

僕の耳が僕をだますことはないよね!そうだ、ああなんて長く悲しい音なんだろう・・・。

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◎ベーズレへ (1778年2月28日)

 早く僕に返事が届くようにすぐに書いてくださいね。僕が旅立ってしまってからは手紙ではなくて、汚物(泥)を受け取る事になってしまいますから。汚物!・・汚物!おお汚物!ああなんて甘い言葉なんだ!汚物!味わえ!ああ美しい!汚物を味わえ!汚物!舐めるんだ!ああ、なんていいんだ!汚物!舐めろ!嬉しいぞ!汚物を味わって、舐めて・・・味わえ!汚物!そして舐めろ!汚物!

damit ich den brief erhalt, sonst wenn ich etwa schon bin weck, bekomme ich statt eincn brief einen dreck. dreck! – – dreck! – o dreck! – o süsses wort! – dreck! – schmeck! – auch schön! – dreck, schmeck! – dreck! – leck – o charmante! – dreck, leck! – das freüet mich! – dreck, schmeck und leck! – schmeck dreck, und leck dreck! —

モーツァルトの家のダーツの的
モーツァルトの家のダーツの的

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注:日本ではこの汚物(Dreck)という言葉をうんこやうんちと訳したものが広まっているが、Dreckという言葉が意味するのは泥や汚れであり、この言葉自体にはうんこという直接的な意味はない(もちろんうんこを意図していることは明白である)。モーツァルトはうんこという言葉を直接意味するKackやScheißという言葉を使っているわけではないので、ここは汚物と訳すのが響き的には正しいと判断。

モーツァルトはこの2つ目に紹介した手紙の中では、旅立たなくてはならない(weg)、そして一度旅立ってしまったら、馬車で泥まみれ(Dreck)だ、という韻を踏んだ文章から、汚物(Dreck)という言葉を連発しています。その合間に登場する、舐める(leck) 、味合う(schmeck)という言葉は全て韻を踏んだ言葉遊びとなっています。


12/5の練習参加者は、Sop7名、Alt11名、Ten4名、Bass5名の合計27名でした。


《モツレク第15回練習》


1.KV49 Credo

☆本日もCredoの音取りに取り組みました。

・p14~p17 リズム読み→歌唱

・p18~p21 ことばを確認→歌唱

・p24~p26 ことばを確認→歌唱

・p20の97小節、108小節のBassの入りの音に注意!

・p24~p25が完璧に出来なかったので次回やります(宿題)


2.Requiem 「Lacrimosa」(p40~p42 )

☆音取り復習をしました。

・18小節のJesuはSopの歌う八分音符を待ってから入ること。

・常にハーモニーを意識して歌う。

・曲最後の29小節は4拍目をcresc.して30小節に入る。


3.Requiem 「Confutatis」(p35~p39)

☆音取りの復習をしました。

・男声は、追い立てられるように音をかぶせていく、そして女声は、意識が薄れていく中で聞こえてくる天使の声。


【次回練習内容予定】2024年12月19日 アイセル3F大音楽室

①Missa Brevis KV49「Credo」の復習。特に(p24~p25)

②Requiem 「Agnus Dei」(p68~p71)音取り

 
 
  • shizuokaverdi
  • 2024年12月3日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年12月12日


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~モーツァルト探訪その7

 モーツァルトの少年時代はほとんどが旅でした。当時の貴族たちの前で演奏してモーツァルトの才能を披露するのが目的です。

その行き先は、ザルツブルクからまずはドイツを経由し、パリ、ロンドンに及びます。帰り道にではベルギーやオランダにも寄っています。それから今度は逆に南フランス、スイス、ウィーンそしてイタリアへの旅行です。

モーツァルトはこの間、正規の教育というものは全く受けていませんが、たいていは父から学んでいたと考えられています。

こうした旅がモーツァルトの人間形成に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。


◎感受性豊かな子供

 さて、モーツァルトの人柄を知る上でのいくつかのエピソードを紹介しましょう。

モーツァルトは非常に感受性が豊かな子供だった事が知られています。例えば、父レオポルトの同僚であるシャハトナーによると、彼はものすごく素直で感じやすい子供だったようです。例えばトランペットの音を聴いて本気で怖がったり、友達と一緒の時は非常に愛情深い姿を見せたとされています。また一方では音楽を真剣に考えている人の前でしか演奏しなかったという性格も見せています。

モーツァルトの残した手紙は沢山残されていますが、その中でもボローニャで出会ったドメニコ会の神父さんが、聖者だとされているけれどどうも胡散臭いという話をしています。その神父さんはとにかくココアを飲んだ後でワインをなみなみと何杯も飲み、さらに食事もたらふく食べた後でコーヒーを5杯飲んで、メロンを二切れ食べて、さらにミルクを2杯飲んだ、とても聖者には見えないという事を書いています。

普通の大人だったら肩書だけでその人の本質をみることができないかもしれませんが、モーツァルトはしっかりと人間を観察していたようですね。


11/21の練習参加者は、Sop10名、Alt11名、Ten4名、Bass6名の合計31名でした。


《モツレク第14回練習》


1.KV49 Credo

☆11/21はCredoの音取りのみの練習でした。

・この曲はKV49の中で最も長く、音取りに時間がかかっています。

・AllegroとAdagioが交互に現れるので注意してください。


【次回練習内容予定】2024年12月5日 アイセル3F大音楽室

①Missa Brevis KV49「Credo」(p14~p26)復習と引き続き音取り

②Requiem 「Lacrimosa」(p40~p42 )復習

③Requiem 「Agnus Dei」(p68~p71)音取り


 
 
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